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我が輩は以前から英雄たちに毎日討伐日誌を付けさせておるのだ。
どこにどれだけの兵力で向かったら、どういったモンスターがどれだけ出て、どれだけの被害を受け、 どれだけの資源どれだけの金貨どういったアイテムを持ち帰ることができたかを知るためである。 最近はそれに仕事の感想もつけさせるようにしたのである。 どういった冒険をこなし、どういった経験をしたのか? 数値だけではなく、英雄の生の姿を知りたかったからである。 これはなかなか良いアイデアだった。 すきお二世がいい加減な男であることを再確認できた。 毎日『変化なし。昨日と同じ』としか書いておらん。 げいむいやよは愚痴ばかりこぼしているが真面目な性格であることがわかった。 きっちりとした文字で、一日一頁丁寧に埋めておる。 すぱいたろうはハードボイルドを気取った勘違い男であることもわかった。 自己陶酔の激しい文章で毎日数ページにわたって書いておる。 ただ、みもとふめいだけは謎のままなのである。 アンデッド種ゆえ言葉が通じないのかと思っていたら、普通に文字を書いておった。 内容はともかく、四人の中で一番の達筆であった。 どうやら我が輩はアンデッド種というものを勘違いしておったようだ。 ただ、勘違いさせたのはみもとふめいなわけであるがな。 これからする我が輩の話を聞けば納得してもらえると思う。 みもとふめいの第一印象は最悪であった。 すぱいたろうに紹介されて雇ったわけであるが、まず言葉が通じなさそうであった。 「通じなさそう」というのは実際に通じるかどうかを試しておらぬからだ。 コミュニケーションを取ろうという気が起きないのである。 想像して欲しい。 すぱいたろうに紹介され、初めてみもとふめいを城に招いたときのことである。 彼女は両腕を前に突き出して歩いていた。 手の先は重力まかせで、力なくだらりとさせている。 首にも力が入っていないのか、歩くごと右に左にと頭が揺れる。 顔に表情はなく白眼をむいている。 口元からは何かぶつぶつ言っているのが聞こえてくる。 よくよく聞いてみると「かゆいかゆい」とそればかりリピートしている。 かゆいという言葉は我が輩らの使うかゆいというのと同じ意味なのであろうか、と悩む。 ひとしきり「かゆい」を繰り返した後、突然笑みを想像させるような顔の筋肉の動きがあった。 白眼をむいたまま頬の筋肉をひきつらせて、一言だけ違う言葉を発した。 「うまい」 我が輩はあまりの理不尽な状況に「ひぃぃ」と声を上げてしまった。 それ以来、彼女とは会っていない。 そのため彼女については全くわからず、身元もわからないため、便宜上みもとふめいと呼んでいる。 出会いがそうであったため、アンデッド種には言葉が通じないものと信じ込んでいた。 従って今回のこの日誌の内容は衝撃であった。 貴殿らも一緒に読んでもらえないだろうか? ~~明日に続くのである。 PR |
COMMENT:
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:無題
何やらホラーがかった話の流れに、目は釘付けです。
陛下、はやく続きをお願いします~! げいむすきおである。
うむ。
続きを書いたので読むが良いぞ。 期待のそえておるかどうかはわからぬがな。 |
【2009/06/24 23:20】| | ロッス #56125defaf [ 編集 ]
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